御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
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なんだか昔を思い出して胸がザワザワする。

それにあの時、私は恥ずかしいだけじゃなかった。

みんなに聞かれる少し前に、奏翔が家に遊びに来た時にたまたま指輪を持っているのを見られた。

「お前、まだこんなの持ってたのかよ」

そう言って、奏翔から呆れたように言い放たれて私はショックを受けた。

あ、自分だけだったんだとその時初めて気づいた。

そうだよ。

それでなんだか奏翔はその頃からなんとなくよそよそしい感じになって…

卒業して高校に入ったらますます距離が離れたんだった。

高校生になったらやたらと女の子を連れて歩くようになったりしてさ。

私達もみんな同じ高校に入るも登校も兄妹それぞれ男女別で通うようになった。

まぁ私も昔の淡い恋心も次第に薄れていって、告白されたら付き合ったりとそんな風になっていった。

まぁ初恋ってそんなもんよね。
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