御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「はは。ごめんな結城。気使わしたな。大丈夫だ。ありがとう」
『いえ。それなら良いんです。では、これで』
「ああ。結城、明日とか」
『かしこまりました。ではさっそく明日受け取りに行ってきますね。楽しみですね』
「ああ。楽しみだな。それじゃ、また明日」
そう言って電話を切った。
維織を見れば何故か俺を睨んでいる。
「維織?」
名前を呼ぶと今度は睨みながら瞳にいっぱい涙を浮かべる維織。
「維織!? おい、どうした?」
「だれ、今の」
へ?
「結城のこと?」
維織はポロっと涙を流しながら頷く。
「ちょ、おい。泣くな、どうした?」
俺は涙を拭いてやる。
「結城が何かした?」
「明日その人と会うの?」
ん?
「ああ。毎日会ってるけど」
秘書だぞ?
するとブァッと更に泣き出す維織。
なんだ?
生理前か?
いや、こないだ来てたな。
「ほら、こっち来い」
そう言って維織の手を取るも振り払われる。