御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「維織。良く聞いて。結城はまず俺の秘書だ」
「秘書?」
グッと眉間にシワを寄せる。
そんな般若みてぇな顔すんなよ。
「そう。んで、男」
「男?」
「そう。結城 叶人っていうの名前」
「え…」
あ、眉間のシワが消えた。
「漢字は違うけど、俺と同じなの名前。んで結城は苗字」
「苗字…」
「お前も見た事あるぞ? 大学ん時のサークルの後輩で、眼鏡かけた大人しそうな小柄なのいたろ?」
維織は記憶を辿っている。
「あ! あの眼鏡くん?」
「そう。あの眼鏡くん。俺あんまり仕事の話ししなかったもんな。今は俺の秘書してもらってんの」
「やだ…私…」
涙もすっかり止まってカァっと顔を赤く染める。
そんな維織を見て俺はつい笑ってしまう。
「維織、ヤキモチ妬いたんだ?」
「ごめんっ」
両手を前にあわせて謝ってきた。