御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「維織!」
その時奏翔の声が聞こえた。
奏翔だ!
「奏翔! 助けて!」
「おいお前ら、何してる!」
奏翔はすぐに駆けつけて、私の前に立つ。
「何してるって聞いてんだ。答えろ」
男の胸ぐらを掴んで問いただす奏翔。
奏翔は高三だけど、男たちよりも余裕で大きい。
「いやちょっとだけ撮影しようと…でもまだな、何も…」
男たちも奏翔の迫力に圧倒されている。
奏翔の目は怒りで満ち溢れているように見えた。
「撮影だと?」
すると次々に男たちに殴りかかってあっという間に倒してしまった。
「維織! 無事か!? なんでこんな所一人で歩いてんだよ!」
奏翔に怒られる。
「近道しようとして…」
「ここは危ないから近づくなって言ったろ!」
「ごめんなさい」
シュンとする私。
「はぁ。帰るぞ」
「ありがとう。助けてくれて」