御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
その後中にも入ってその豪華絢爛な装飾に度肝を抜かれる。

近くで見れば、繊細な彫刻や宝石が散りばめられここまで愛した皇帝にどこか切なさも感じた。

愛し合っていたのに。
いつか別れが来るのだと。

そっと奏翔の手を握る。
すると奏翔も何も言わずにそっと握り返してくれた。

それだけでなんだか涙が出そうになってグッと歯を食いしばった。

その後、象に乗ったりいろいろ観光してまたホテルに戻ってレストランでディナーを取り部屋へ戻った。

「ヤバかった」

私はドサっと窓際のソファに仰向けに倒れる。
窓の外を見上げれば今夜も綺麗な月が見下ろしていた。

「奏翔と永遠に一緒にいられたらいいのに…」

ついそんな言葉が口から溢れた。
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