御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「維織」

奏翔が側に来て跪いた。

え?

私は身体を起こす。

「生きてる限り、一生一緒にいよう」

そう言って四角い箱をパカっと開けて私に差し出した。

嘘っ…

私は驚きのあまり息を飲み両手で口元を覆う。

「愛してる。俺と結婚してくれ」

ジワっと目が熱くなったと思えばポロっと一筋涙が溢れて頬を伝う。

「私もっ…奏翔と一緒がいい」

なんとか答えると、奏翔は箱から指輪をとった。

「手出して」

私は言われた通り左手を差し出すと、そこに指輪がはめられた。

「ありがとうっ…嬉しいっ」

泣きながらお礼を言う。

「泣くな。ほら」

そう言って奏翔はグイグイ涙を拭く。

「だからいつも痛いってー」

「ははは」

すると今度は優しくキスで涙を舐め取られる。
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