御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
ドアを開けると美空夫婦と丈慈夫婦が揃っていて、ニヤニヤしながらシッと指でジェスチャーされ手招きされる。

なんだ?

維織も出てきて、ニヤニヤするみんなについて行く。

そしてリビングに続く階段で皆んなで並んでしゃがみ話し声のする方を覗いた。

絃と那智ちゃんが椅子に並んで座って話し込んでいる。

絃が熱い視線を那智ちゃんに向けてキュッと手を握った。

ヤベ。笑いそう。
俺は口を手で押さえる。
維織を見れば同じ事をしていた。

「それで気づいたんだ。惚れてるって。もう離せないって」

「絃…」

「ありがとうな。結婚してくれて。こんな風に過ごせるなんて夢じゃないかと思うんだ本当に」

すると今度は那智ちゃんが絃に抱きついた。
おいおい。
大丈夫か?

「ずっと俺のそばで笑ってて。俺にとってそれが全てだから。卒業して10年以上経った今、こうして那智と結婚できた事がもう奇跡なんだ」
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