御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そこには、維織の父親である塁くんの腕を掴んで綺麗なウェディングドレスを身に纏う維織が俺を見て微笑んでいた。

俺は思わず息をするのを忘れてしまう。

こんな綺麗な花嫁を見たことがない。
何よりも、誰よりもその姿は美しかった。

一歩一歩俺の元へと歩いてやってくる。
俺をしっかりと見つめて。

長い裾を引きずって歩くその様にゴクっと喉がなった。

「はい。奏翔」

塁くんが維織の手を取り俺に差し出す。
維織を見ればニコニコしながら頷いている。

俺は手を出して維織の手をギュッと掴んだ。

周りは最高潮に盛り上がっている。

「どういう事?」

俺は維織にヒソッと聞く。

「ふふふ。驚いた? サプライズー」

そう言って維織はイタズラが成功したようにニカッと笑って見せた。
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