御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「ごめんなさい。私なんだか恥ずかしくて…」

私は頭を下げて謝った。

「大丈夫。わかってるから」

「ママ…」

「なぁ。お前、もう皆んなには言う気なんだろ?」

私はコクっと頷いた。

「ちょっと俺に案がある」

「え、なになに?」

するとちょうど絃も帰ってきた。

「おお。維織来てたか」

「あ、絃。おかえり」

「ん、ただいま」

「絃も奏翔から聞いてたの?」

「ん? ああ。聞いてたよ」

サラッと答える絃。
なんだよもう…

「維織。奏翔の事驚かせたくないか?」

ニヤニヤとパパが笑う。

私達家族4人で、他に誰もいないのにヒソヒソと作戦会議をした。

「それいい! 皆んな今すぐここに呼んで!」

「いやまず涼太くんのところが先だ」

パパに言われる。

「あ、そうだよね。今から行ってくる! え、なんて言えばいい? 奏翔をください?」

「バッカ! 違えだろ。ダメだ、俺も行くわ」

絃が立ち上がった。

「いや、そこは俺だろ」

パパも行く気になったらしい。

「んじゃ皆んなで行っちゃお!」

ママもノリノリだ。
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