御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい

「うわっ！　はー！　聞いたか？　栄麻！　維織と結婚だって！」

そう言って涼太くんは栄麻ちゃんに飛びついた。

「私は知ってたよ？」

え？

「は？　何で教えてくれないんだよー」

「だってまだ付き合ってるの内緒って言うし、涼太絶対バラすでしょ」

ははは。

するとみんなも声を揃えて笑い出す。

「ええ！？　俺だけ！？　俺だけ知らなかった！？」

「まぁ、そうなるな」

パパが答えた。

「嘘だろー？　仲間に入れてくれよー」

「だからこうして言いに来たんだろ」

「ん！？　アイツは！？　なんで奏翔がいないんだ！？」

いまさら奏翔がここにいない事に気づく涼太くん。

「それでだな、ちょっと奏翔の事驚かせてやろうぜ」

パパが涼太くんにニヤニヤと笑いながら話し出す。

「え、なに？　めっちゃ楽しそうそれ」

涼太くんもニヤニヤが止まらない。

この人たちいくつになっても少年みたいだ。