御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そのまま奏翔はスタスタ降りてきて私のところまでやってくるとギューっと抱きしめた。
そして左手を持ち上げられる。
えっ!?
「もしかして、指輪なくした?」
ブアッと涙が溢れ、私はわーんと泣き出してしまう。
なんで私はこうなんだ!
もうすぐ結婚式だってあるのに!
こんなんじゃ愛想尽かされてしまう…
「奏翔ー! 指輪ないー! ううっ」
もうこれはいい大人が泣くような泣き方じゃない。
「泣くな、泣くな」
奏翔はゴシゴシ涙を拭く。
私はそのまま奏翔にしがみついた。
ポンポンと撫でてくれる。
何で優しくできるのー
「あっちの指輪は無事か?」
そう言ってクスッと笑う。
え、私の宝物?
お祭りで奏翔にもらったやつ?
私はコクっと頷く。