御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
私もバルコニーに出て奏翔に後ろから抱きつく。

「おい。離れろ、煙いだろ」

「やだ。へーき。好き。大好き」

するとフッと笑って私の手の上に大きな手を置いてぽんぽんとする奏翔。

吸い終わるとクルッと向きを変えて私をぎゅーっと抱きしめてくれる。

私が顔だけ見上げるとチュッとキスが落とされた。

どこまでも優しい。

「あ、俺来週の水曜美空に髪してもらう事なったわ。なんか呼ばれた」

結婚式ですからね。

「あ、そうなの? いってらっしゃい」

「ん」

「私も木曜日してもらうー」

「おお。染めんの?」

「そこは美空と決める」

すると奏翔は髪をひとつすくう。

「綺麗な髪してるよな」

「ふふ。ありがとう」

「来週、美空と旅行だもんな」

そうなのだ。
私は怪しまれないように奏翔にはそう言っている。
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