御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そしてあれよあれよと指輪の交換の儀式になる。

いや、俺指輪買ってねぇぞ!?

バッと親父を見る。

すると親指を立ててドヤ顔している。

代わりに出してくれたんだな。
後で金渡そう。
受け取らない可能性は高いが。

俺は維織のグローブを外す。
そこにはついこないだなくしたとワンワン子供の頃のように泣いて、大騒ぎしながら見つけた婚約指輪がしっかりとはめられていた。

俺はそこに重なるように結婚指輪をはめる。
ピッタリじゃねぇかよ。

そして俺も手を出すと、維織もはめてくれる。
が節が引っかかってはまらない。
思わず笑ってしまう。

「あれ? ちょっと! じっとして!」

頑張ってねじ込もうとする維織。
周りも笑い出している。

「維織、貸せ」

そしてグイっとはめる。
お。ちょうどじゃん。

「はまった」

「よかったー。焦ったわ」

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