御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい


そして高く舞い上がったブーケは一番後ろで珍しく大人しくしていた翠の手に収まった。

翠もまさかだったのか驚いた顔をして口を押さえている。

ははーん。
コイツ誰か相手いるな。

皆んなから拍手を浴びてイェーイとして見せたが、本当はどうなんだ?

最後にフラワーシャワーを浴びながら、みんなに祝福してもらい俺たちは退場した。

「それではホテルまでお送りします」

スタッフに連れられ、リムジンのオープンカーに乗る。

するとみんなも追いかけてきてまたフラワーシャワーを浴び見送られた。

ホテルに到着してスイートルームへと入る。

「維織」

俺は窓際に立つ維織を呼ぶ。

「ん?」

いつもより明るめに染めた髪をふわふわに巻いて花冠を付けたままクルッと振り向く。

これがまた可愛いのなんのって。
人形みたいだ。

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