御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「ねぇ。付き合ってんのに会いたいって思わないのっておかしい?」

「さぁ。俺もよくわかんねぇ」

だよね。
この人自分からとか誘わないもんね。

「奏翔に聞いた私が馬鹿だったわ」

「何お前、彼氏とうまくいってないのか?」

私の周りで唯一、奏翔だけ彼氏がいる事を知っている。

「んー。よくわかんない」

私の周りとは、こぞって美男美女の親戚たちだ。

いとこの丈慈はとっくの前に結婚したし、はとこの大河もニューヨークにいる彼女とラブラブだ。

大河の妹の美空も結婚して結婚式を終えたばかり。

なんかみんな生き生きしてんのよねー。

私とは大違いだ。

「んじゃあれだ、お前誰も相手いなかったら俺がそのうちもらってやるか?」

なんて言って笑ってる。

「はいはい。んじゃ奏翔も女遊びやめなさいよ」

ギロっと睨む。

「おーこわ」

「ったく。いつの話してんのよ」

奏翔はわざとらしく肩をすぼめてみせた。
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