御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい


奏翔の家の広めのバルコニーには沢山の植物が育てられている。

オシャレなやつ。
カッチカチの葉に棘のついた厳ついやつだ。

なんか棚とかあって綺麗に並べられている。

「だから黒かったのね」

「なんだかんだ毎年だろ。てかお前、ああいう時は嘘でも男と来てるって言え」

「ああ、さっきの?」

奏翔はドサっと隣りに腰を降ろした。

「目、離すとすぐこうだよお前は」

「別に私だけじゃないじゃん」

翠たちだってそうじゃんか。

「あ、日焼け止め塗ってちょうだい」

私は日焼け止めを渡して背中を向けた。

「ん」

グイグイ塗っていく奏翔の手つきからは全くもっていやらしさを感じない。
ただの作業だ。

そうだよねー。
相変わらず女として見てないよねー。

そんな事を思っていれば最後にパーンと叩かれた。

「痛った!」

奏翔をギロっと睨めば笑って済まされた。
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