御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「なによ」

「変わらないな」

「何が?」

「昔もこうして俺にしがみついてたろ。プールとか海とか」

確かに。
大人になってからは浮き輪があったし抱っこはしなかったもんな。

そんな事を思っていれば、それまで勝手にしがみついていた私を奏翔はお尻の下で手を組んで支えた。

うん。
全くいやらしさはゼロだ。
ドキドキするだけ無駄なのよ。

しばらくそのままでくだらない話をしていると子供がまた凄い水飛沫を上げて泳いできて、私は奏翔にしがみついてて手が塞がってるし、奏翔も私のお尻の下で手を組んでいるから塞がってる。

そんな訳で、私達はもろ顔面にその水飛沫を浴びた。

2人で顔を合わせて笑う。

「あははは! 勢い良すぎ」

「ククククっだな。上がるか」

「そだね!」

そして奏翔に足が着くところまで連れて行かれるとそっと下ろされる。

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