御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
あら。ナンパかな?

「ふふふふ。内緒ー」

「お? なんだ? 兄ちゃん、ナンパか?」

奏翔が戻ってきてニヤニヤしながら男の子の前に立って話しかける。

「俺、お姉ちゃんめっちゃタイプ」

「ははは! 兄ちゃん、でもお姉ちゃんは俺のだからやれねぇなー」

なんて言う奏翔。
なぁにが俺のよ。

「でもキスしてなかったじゃん」

私と奏翔は目を合わせる。
何この子。
かわいいー!

「ははは! 兄ちゃん親は?」

「うん! あそこ!」

どうやら店の店員の子供らしい。

「俺らと遊ぶか?」

「いいの? んじゃあっちで遊ぼうよ!」

それはアスレチックになっている場所。
奏翔は私を見上げる。
バッチリ任せて。
泳げないがそれ以外はご存知の通りめっちゃ動けんのよ。
私はうんうんと頷く。

「おし。それじゃ、親に断ってこい」

「わかった!」

そう言って男の子は走って断りに行った。
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