御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
それから家に帰って湯船に入る。

なんか、彼氏と会うとどっと疲れる。
てか付き合ってる意味ないよね本当に。

そんな感じでモヤモヤしたまま過ごして、相変わらず私は暇さえあれば奏翔の店に行く。

あ、翠(すい)じゃん。

翠は、私のいとこ。丈慈の妹だ。

「やっほー、翠来てたんだね」

「維織! おつかれー」

今は6月。
ジメジメしてて気持ち悪いけど、ここはクーラーが効いてて気持ちいい。

翠の隣りに並んで座る。

「今日は? 飲む? 明日仕事だよな?」

奏翔がカウンターから話しかけてくる。

「うん。ソフトドリンクにする」

「ん」

奏翔はいつものように短く返事をすると、ノンアルコールのカクテルを出してくれた。

「ふふふ。相変わらず飲めないね維織は」

翠がビールを豪快に飲みながら笑ってる。

「翠と美空が強いだけでしょ」

「ははは!」

すると翠の携帯がなる。
翠は画面を見た後そのまま出ずに裏返した。

「いいの? 出なくて」

「いーのいーの」

あー、これ男だな。
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