御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「そろそろ帰るか」

奏翔はそう言って立ち上がる。

その時、手を伸ばして立たせてほしいと思った。
なんでた?

私も立ち上がる。

そして奏翔の後ろを歩いてバイクまで向かった。

二人でバイクに跨ると、奏翔は当たり前に私の両手を取って自分の腹に巻きつける。

「おし、出発」

私はギューっと力いっぱいしがみついた。

「ははは。力つえー」

なんて言って呑気に笑ってる。

私はなんでかくっついてたくなってそのままずっと背中に顔を寄せてしがみついた。

奏翔は特に気にする様子もなくバイクを走らせる。

風が気持ちいい。
ちょっとだけ眠たくなってきてしまう。

「維織ー。寝んな寝んな」

「んー。気持ちー風」

「ククククっ。そうだな」

すると間も無くドーンと花火が打ち上がった。

「え!? 花火だ!」

「せっかくだから見てくか?」
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