御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「別にいつも通りだよ」

なんだよ。
奏翔じゃなくて絃に言われたからだったのか。
なんでガッカリしてんだ?

「誰かいい奴みつかりそ?」

「んーまぁ」

全くもってそんな人いないし、いらない。
しかもなんか奏翔に言われるのにムッとくる。

「今日もモテモテだったしな」

なんて言ってる奏翔がなんかやっぱりムカつく。
他所当たれなんて言った時は結構迫力あったんだけどな。

「奏翔だって、みんな女の子達見てたよ」

「デカくて黒いから目立つだけだろ。それにお前と歩けば嫌でも目立つんだよ昔から」

「んじゃさっきみたいに妹でーすって言って歩けば?」

「なんだそれ。さっきはさっきだろ」

私はフンっと前を向く。

「なんだお前。あのまま夫婦ですって言って欲しかったのか?」

ニヤニヤして聞いてくる。

「ま、まさか!」

「ほら、だろ? どの道怒るんだから何でもいいだろ」

そう言って手を後ろに置いて優雅に長い脚を組む奏翔。
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