御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
幼馴染
〜奏翔side〜

維織をマンションへ送って俺も家に帰る。

ドサッとソファにのけぞるように座り両手を背もたれに広げ顔を天井に向ける。

部屋の明かりも付けずに差し込む月明かりをチラッと横目にまた天井を見上げる。

ここへは一年程前に引っ越した。
ここは俺がオーナーのタワーマンションの最上階。

やっとだ。

少し行けば近くに、丈慈達が住むレジデンスもある。

クククク。
また皆んな近い。

俺は冨樫 奏翔(とがしかなと)30歳。
早生まれなので誕生日が来れば31だ。

俺の親父の実家は冨樫不動産といってこの辺りの不動産業を営んでいる。

親父の親父、つまり俺の祖父は三兄妹の真ん中で一番下の妹が、丈慈と翠の祖母にあたる。

ちなみに俺の親父は神楽コーポレーションの社長秘書をしている。
ガチガチの家じゃないから、会社は継がなかったが親父もいくつも不動産を所有している。
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