御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
それでもどこか満たされないのはやっぱり一緒に住む相手がいないからだよな。

なんて思いながら吹き抜けになった高い天井で静かに回るファンを眺める。

立ち上がり全面ガラス張りの窓際に立った。

今日は幼馴染の維織を連れ出してプールに行った後花火を見た。

維織は、純平くんの奥さんの兄貴、塁くんの子供。

俺の実家のまた鼻の先のレジデンスに住んでいて幼い頃からずっと一緒に育った。

維織には4年付き合った彼氏がいたが、最近浮気されていた事がわかり俺の目の前で別れた。

クソっ。

泣かすなよ。

あの間抜けな面をした男を思い出して拳を握る。

別れた後、俺の車の中で泣き出す維織を見て急に昔を思い出した。

あの頃確か維織は幼稚園の年長で俺は二年生だった。

維織が可愛くて、俺は幼心に好きだった。
まぁ初恋ってやつだな。
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