御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「そっか。大河どんな感じ?」
翠は、丈慈と大河の秘書をしている。
大手ゼネコン神楽コーポレーションの社長である純平くんが父親だ。
「凄いよ。相変わらず隔週でニューヨーク行ってる」
「凄いね。こっちに彼氏いてもそんなに会わなくない?」
「凄いよね。意外と一途だったらしい。なんなら追いかけるタイプだったらしい」
「あの大河が!?」
大河は全くこれまで特定の彼女を作ろうとしなかった。
追われると冷めるとか言ってたな。
追いたいタイプだったのね。
「意外だよね。たぶん本気なんだと思うよ」
本気ねぇ。
本気ってなんだ?
よくわからん。
奏翔は今別なお客さんについていてここにはいない。
「丈慈もだったけどさ、あんだけ決まった相手作んなかったのにね」
「本当それ。変わるらしいよ」
「そうなんだねぇ」
奏翔をまた見る。
そして私の兄の絃も思い出す。
あいつらはフラフラしててダメだ。
「奏翔と絃は相変わらずよね」
翠も同じ事を思ったらしい。
「ははは! だから」