御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい


「管理人に言って勝手に入れてもらったわ。ごめんな」

私は首を横に振る。
なんと言ってもここは冨樫不動産の持ち物だし。

「大丈夫。ありがとう」

「何か食べれそう? 雑炊とか、リンゴとか」

「食欲ない」

奏都はスッと立ち上がって、リンゴのすりおろした物を持ってきた。

「薬飲めねぇだろ」

そう言って私の背中にそっと手を入れて起こされる。

「はい」

スプーンですくって口元まで持ってこられる。

「あ」

私は大人しく食べた。
最後まで何とか食べさせてもらい完食する。

テーブルに置いていた薬を持ってきて、錠剤を口にねじ込まれる。

そして有無を言わさずコップを口に付けてきてゴクっと飲んだ。

「よし」

奏翔は私の頭をポンとひとつ撫でるとそのまま私をまた横に寝かせた。

「あと寝てろ」

そう言って立ち上がる奏翔。

私は咄嗟に奏翔の手を掴んだ。
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