御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「帰っちゃうの…?」

やっぱりガッサガサの声だ。

奏翔は一瞬眉間にシワを寄せる。
面倒くさいよねさすがに。

「ごめん。何でもない。ありがと」

「維織。俺いまからslow行かなきゃなんだよ。終わったらまた来るから。それまで寝てろ。な?」

奏翔は私の手をキュッと握ってしゃがんで頭を撫でる。

slowか。そうだった。
今日はslowの日だったわ。

私はコクっと頷く。

「いい子にしてろ」

「待ってる」

「ん。キー借りてくな」

私はまた頷いた。

奏翔はフッと笑うと部屋を出て行った。

行っちゃった…。

私はまた眠たくなってきてそのまま眠りについた。

ゆらゆら揺れてる。

なんだろ。
フワフワしてて気持ちいい。
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