御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
風呂場からドライヤーを持ってきて濡れたままの髪を乾かしてやる。

維織はその間も辛そうに呼吸している。

「もうすぐ乾くからな」

「ん」

声は聞こえてるらしい。

ピアスも付けっぱなしじゃねぇかよ。

そっと外してテーブルに置いてまた髪を乾かす。

よし。

確か…冷蔵庫を開ける。
あった。
冷却シートを出して維織のところへ戻りオデコに貼る。

「っつ…」

ははは。
つめてぇな。

維織の頭をひとつ撫でた。

体温計どこだ?

キョロキョロと見回す。
ここら辺じゃなかったか?

あ、あったあった。

「ごめんな、維織。体温計入れるぞ」

俺はパジャマの胸元のボタンを開けて脇に体温計を挟んでやる。

そして少し待つと、ピピっと音がして抜き取れば38.4度。
ありゃー。
こりゃキツイな。
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