御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
俺はベッドに移そうと抱き上げる。
やっぱり熱いな。

その時維織がギュっとしがみついてきた。
気づいたか。

「まだ熱あるな」

そう言ってベッドにそっとおろす。

「奏翔…寒い」

ガタガタと身体を震わし縮こまる維織。

「待ってろ」

すぐにリビングから布団を持ってきてかけてやる。

それでも尚ブルブルと震える維織。
抱きしめてやりたい。

「寒い…ギューして…」

維織…。
それはさすがに…

でも寒いなら仕方ないか。
どうせ起きて俺が横に寝てたら怒るんだろうな。

俺は黙ってベッドに入り腕枕をして抱きしめた。
こんなにちっこかったっけ?
すっぽりと俺の腕の中におさまる維織。

「あったかい」

維織は俺の胸に頬擦りする。
甘える猫みたいに。

「大好き…奏翔」

そう言ったと思えばスースーと寝息が聞こえてきた。

はぁ…。
なぁ、本当にさ。

なんなの?
信じちゃうよ? 俺。

硬く閉じたはずの扉が今にもぶち壊れそうなそんな状態だこれは。

悪い夢なら覚めてくれ。
そう思いながら、維織の熱い体温を感じ俺も眠りについた。



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