御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そう言ってそのまま抱きしめられる。

んん?

なんでー?

なんで自然にギューしちゃってんのー?

あ!
そういう事か!

私は妹なんだった奏翔にとって。

そうだわ。
だったら普通だ。
たぶん。

たぶん…

「ちょ、奏翔っ、汗かいたから着替えたい」

「ん? ああ。それもそうか」

そう言ってようやく回した腕の力を緩める奏翔。

ふぅ。

私はムクっと起き上がる…も、クラッとしてまたプシューっともとの場所に戻った。

「大丈夫か? ちょっと待ってろ」

そう言ってクスッと笑うと奏翔は部屋を出て行った。

クラクラするー。
だめだー。
まだ熱あるやつだー。

奏翔は洗面器にお湯をくんでタオルを持ってきた。

え、まさかよね?

「脱げ。拭くから」

「いや、さすがにそれは」

「お前動けねぇだろ」

そ、そうですけど…

もじもじしてればゆっくり起こされる。

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