御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そしてホテルから出て、奏翔の車がある場所まで少し歩く。

え…

私はピタっとその場に立ち止まった。

奏翔が気づいてすぐに振り向いた。

「維織?」

「奏翔、あれ…」

そう言って私は信号の先で男女が仲良く腕を組んで並んで止まってるのを指差した。

奏翔は指差した方を見る。

「誰?」

「彼氏…」

その時その二人が路上だというのにキスをした。

「は?」

奏翔の目が鋭く怒りを露わにした。

「なんだよあれ」

そう言うと奏翔はそっちに向かって歩き出す。

「ちょ、ちょっと!」

私の静止も無視して彼氏の肩を掴む奏翔。

「おい、お前」

私も慌てて駆け寄り、今にも殴りかかりそうな奏翔の腕にしがみついた。

「奏翔っ!」

「維織! だってこの男

「知らない。こんな人」

私の彼は急に現れた私と奏翔に驚いている。
一緒にいる女性も。

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