御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
パーマのかかった長めの髪は今はセットされてなくてモジャモジャなのにカッコいいよねやっぱり。

一瞬、その口から甘い台詞を言われたいなんて思い慌てて目を閉じた。

危ない。
またパカパカ扉が開いてしまいそうになる。
熱のせいと、昔を思い出したせいだ。

あったかくて気持ちいい。
やっぱり奏翔の腕の中は非常に落ち着く。
このままずっとこうしてて欲しい。

そう思っていたら奏翔が少し動いた。

私は黙って目を閉じたまま。

でもなんか微妙に視線を感じる。
み、見られてる?

そして止まっていた奏翔の手がまたポンポンと動き出した。

私は思わずキュっとしがみついた。

すると奏翔の手が一瞬止まる。
そしてクスッと笑った後ギューっと抱きしめ返してくれた。

絡まった足をスリっとなぞるように動かす奏翔。

私もスリっと動かしてみる。

「クククク」

奏翔が笑い出して私は目を開けた。
優しい目で見下ろす奏翔。

「ふふふふ」

微笑み合うだけで何も話さないけどなんだかとても幸せを感じた。

奏翔はまたぎゅーっと抱きしめてくれ、私も奏翔の胸に顔を寄せた。

幼馴染、最高。
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