御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい


その後いつの間にか眠ってしまったらしく、次に目が覚めた時にはまたお腹が空いていた。

奏翔はもう隣りにいなくて寂しくなる。

そっと身体を起こす。

帰っちゃったのかな。

近くにあった体温計を脇に挟む。

ピピっと音がして見てみると36.8度だった。

だいぶ下がった。
良かった。

部屋から出るとキッチンから美味しそうな香りがしてくる。

あ! まだいるみたい!

そっとリビングに入れば奏翔がキッチンに立って何か作ってくれている。

「お、起きたか?」

そう言ってフッと笑う奏翔。

「うん。36.8度」

私はそう言いながら後ろから抱きついた。
バイクの後ろに乗る時みたいに。

奏翔も特に驚かずお腹の前で組んだ私の手の上に大きな手を乗せた。

「食べられそう?」

「お腹空いたー」

そう言えばクスッと笑ってうどんを鍋に入れた。

「うどん?」

「ん」

しばらくそのままくっつく私。

奏翔も重ねた手をポンポンとしている。
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