御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
ふふふ。
私が突然来たところでさっぱり驚かない。
むしろ当たり前みたいにしてる奏翔が面白い。

「嫌じゃない?」

「何が?」

「マスターキー使って勝手に来てさ」

私は植物をツンツン触りながら背中を向けて聞く。

「ククククっ、嫌だったらとっくにキー取り返してるわ」

そう言っていつも私がしてるみたいに後ろからぎゅーっとされた。

「ならいいんだけど」

「ん? シャンプー変えた?」

「え!? 変えた! わかる?」

顔だけ振り返って見上げると奏翔は私を見下ろしてフッと笑った。

「ん。これ好き」

ドキッとした。
べ、別に私の事を言われた訳じゃないのに。

「私も好き」

奏翔はクスッと笑うとそっと離れた。





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