夏の夜空に消えてく花火
アキと俺は来た道を戻って、一番近いコンビニへと入る。
「お前っ、そんな飲むのかよ?」
「んー、足りないよりいいじゃん」
なんて、アキが口元を緩ませて、ビールとスナック菓子をカゴに入れていった。
「ベロベロになったら置いてくぞ」
「アンタのが弱いじゃーん」
「……」
「あ、花火だ。大学の時以来やってない」
「あー…、懐かしいな」
「やろ!やろ!」
「ん?あぁ…」
「ロケット花火にしよー!」
「ごみ回収できねーじゃん」
「細かい男は嫌われるぞうっ」
「……」
アキと俺の価値観はマジで違う。
俺が真面目人間だったら、アキは自由奔放人間だ。
石橋を叩いて渡る俺をアキは迷いもなく走って追い抜いていく。
もし、橋が落ちて大怪我をしても……、何年後かには笑い話にしてしまうだろう。
俺には絶対、真似出来ない──。