夏の夜空に消えてく花火
「ライターある?」
「ん、あぁ」
「これこれ、懐かしいなぁ」
ププッと笑いながら、アキは袋から取り出した花火を片手に火を付けた。
「ひゃぁっ!」
「おおッ!!」
勢いよく飛んで、パンッと音を立てて真っ暗い空に火を散らす。
「おー、飛ぶねぇ!!もう1本!!」
「何でロケット花火なんだよ」
「だって面白いじゃーん」
「……あんま騒ぐなって、こっちだって警察くるから」
「ひゃはは、あんたまだ気にしてんの?」
「だって、びびったし……」
そう。高校の時、この河原で花火をしていたらパトカーが来たのだ。あの時は本当に焦ったよな。