夏の夜空に消えてく花火
昔の話
高校最後の夏。
アキとナツキも含めて、クラスの奴等とこの河原で集まった。
蒸し暑い熱帯夜だった。
花火を買って持ち寄って、アルコールは飲んでいなかったものの馬鹿騒ぎをしていた。
「きゃー、アキちゃん危ないよー!!」
「ほら、ナツキも持って持って!」
「小池は危ないから」
あの頃はまだナツキと付き合う前だったな。
止めたのにも関わらず、アキはナツキに花火を持たせた。
「こうして、手に持って」
「え、あ、うん……」
「火を付けてー」
「うん」
「上に、投げる!!」
「え、え、え?」
「……ナツキ!早く離して!!」
危なっかしーなぁ、なんて隣で思っていた矢先の出来事だった。
「あつッ……」
ナツキが持っていたロケット花火を離さなくて、そのまま火花が発射された。