夏の夜空に消えてく花火
「小池、大丈夫か?ったく、アキ、小池に謝れよ!」
「ナツキ、ごめん……」
「大丈夫だよ、大袈裟にしちゃってごめん」
その後、パトカーが来たんだっけな。
慌てて皆バラバラに逃げて、ナツキと茂みの中に隠れた。
「火傷するわ、警察くるわで散々だったな……」
"悪いな、アキのせいで"そう言葉を続けようとした時、
「でも、私楽しかったよ!夜に家抜け出したのもはじめてだったし…………」
ナツキが柔らかな笑顔を見せる。
ちょっと、距離が近いな…。
「ハルくんもありがとう」
その時のナツキの顔が可愛くて、一瞬だけ触れる程度のキスをした。
結局、小さな田舎町だけにすぐにどこの高校かバレて通報され、先生と親にも怒られて……。本当にこれは今になってもトラウマだ。