夏の夜空に消えてく花火
「……」
「あんた何思い出してんの?」
アキの声にハッと現実に戻ると、気持ち悪い位のニヤニヤ顔で返される。
「あたしが、あの花火の日のこと何も知らないと思ってるの?」
「は、はぁ?」
「彼女じゃないのにキスとか無いわー」
「や、やめろ!!」
「どんだけ自信家なんだよ、ひゃはは」
こいつには筒抜けだったのか。俺の行動とか考えてたことはお見通しだったんだ。
一気に恥ずかしくなる。
「いやー、青くさい思い出だなー!」
「うるせー」
俺の背中をバンバン叩きまくるアキを見て、本当にコイツは変わらないなとあきれてしまう。