夏の夜空に消えてく花火
安さが売りの馴染みある居酒屋。
店内は仕事帰りのサラリーマン、地元の大学生で賑わっていた。
「いやー、ここも変わってないねぇ!」
なんて、アキが周りをキョロキョロと見渡しながらビールジョッキに口を付ける。
女の癖に相変わらず豪快な飲みっぷりをみせた。
「アキちゃんも変わってないね。ちょっと焼けた位で」
「ほんと、黒くなったなー」
ナツキの声に続いて、俺もテーブル越しに座るアキに口を開く。
ナツキの黒髪は肩までの長さにカットされ、綺麗に内側に巻かれていて。今日は仕事帰りという事もあり、ストライプのシャツに膝丈の白いスカートを着こなしていた。
そんなナツキに比べて、アキのはTシャツにデニムのショートパンツ。後ろに高く束ねた金色の髪の毛は、根本の部分が黒くなっていた。
こういう無精なとこもほんと変わらない。