夏の夜空に消えてく花火
「いって、今度は頭突きかよ!?」
「あはは!襲うんじゃねーよ」
「違うだろ?お前が……」
「よし、じゃぁさ!家の近くの、うーん、自動販売機まで競争しよ」
「え?いや、無理だって。俺、もうふらふら…」
目の前のコイツが走り出すから、慌てて追いかけた。
アキは綺麗で手の届かない存在だったから。
制服姿のアキが俺のことを「おせーよ、バーカ!!」と舌を出す。
もし、過去に戻れるのなら。
あの頃に戻れるのならば、俺達は今も並んで歩けただろうか。