夏の夜空に消えてく花火
「あんたは黙って頷いときゃいいの!うーん、あんたはー……」
アキが真っ直ぐ目を向けて俺を覗き込み、言葉を続けていく。
「おっさん化したしたよね!!」
「あはははは!」
「はぁ?アキ、お前!!ナツキも笑うなよ」
「いや、だってさ。ひゃはは、あんたにスーツとか似合わないし!!」
「確かに!私もまだ見慣れなーい!」
「仕事なんだから仕方ねぇだろ!」
くっそ、ナツキの奴。
就職してもう2年以上たつのにそう思ってやがったのか……。
「うん、でも。2人とも変わってなくて安心した!!」
「アキちゃんもねー!」
一瞬だけ、アキが目を伏せた気がした。
きっと、俺も相当アルコールがまわっていたから、気のせいだったかもしれない。