夏の夜空に消えてく花火
アキとナツキ
大学の帰り。サークルの皆でよくこの居酒屋に来た。
その頃となんら変わらない雰囲気が俺達を包み込む。
アキとは幼稚園から同じで、ナツキは高校から一緒だった。そのままエスカレーター式で同じ大学に通っていた。
「ナツキはいい子だよ」
「知ってる」
「あんたなんかには勿体ないけどさ」
「知ってるよ」
「いい彼女になるよ」
「あー、もう知ってるってば!!」
俺に対していっつも「あの女は駄目だ」「アレは遊んでる」、なんて蹴散らしてきたアキが、はじめて勧めてきた女の子がナツキだった。