夏の夜空に消えてく花火
帰り道
「じゃぁ、私こっちだから」
駅前でナツキと別れる頃には、かなりアルコール濃度が上がっていただろう。
本当は、飲んだ後すぐ家へ帰る予定じゃなかったんだけどな。
流石にコイツ……アキがいるのにホテルとか寄れねーし。ナツキもそう思ってるだろうしな。
ちらりとアキに目を向ければ、ニヤリと口元を緩ませて視線を返される。
「ごめんね~、2人共。本当はホテルとか寄る予定だったんだろうけど~」
ぎくり。
顔に出てたか?
「えー、やだ!アキちゃん!そんな予定ないよ~!」
無かったのかよ。
俺は2週間ぶりにヤル気満々だったんだけどな。