記憶喪失の黒沢くん。

友達が家に来ます

「おはよう、みーちゃん」


「おはようございます、黒沢くん」


昨日始まった黒沢くんとの生活は意外にも平和で静かだった。



「この卵を潰せばいーの?」


「はい、たまごサンド作りたいんで。あ、今更だけど卵とかのアレルギーって大丈夫ですかね?」


「卵の味わかってるし大丈夫じゃない?」


「倒れたときは自己責任でお願いしますよ?」


「みーちゃんが冷たーい」


いや、人が一人増えた分すこしはうるさくなったかもしれないけど。


「ピーちゃん、だいふく、シロ、ご飯だよ〜」


「僕への態度動物たちよりも冷たくない?」


「気のせいかと」


なんだかんだで卵を潰す手は止めない黒沢くんの言葉を華麗にスルーしながら愛犬、愛猫、愛…鳥?にご飯をあげる。
 

「ピーちゃんってそのインコの名前?」


「はい、最初はピアニッシモって呼んでたんですけどだんだんピーちゃんって呼ぶようになって」

「へぇーかわいーね。じゃあ僕もだいふくとシロのこと、だいくんとしーちゃんって呼ぶことにする」
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