訳あり王子の守護聖女
「そうだったんですか。おかげさまで助かりました。モニカさんは私の命の恩人です。本当にありがとうございました」
私は寝台に座ったまま頭を下げ返した。
「いえいえ。お力になれて嬉しいです。ステラ様がお目覚めになられたと知ったら、ルカ様も大層喜ばれることでしょう」
「ルカ『様』? ルカはモニカさんより身分が高いんですか?」
王宮勤めの女官ということは、モニカさんは貴族令嬢のはずだ。
アンベリスに滞在中、この国の貴族令嬢は花嫁修行の一環として王宮勤めをするって聞いたもの。
「もちろんです。王子ですから」
モニカさんは私の無礼を咎めることなく苦笑した。
「……………………王子?」
私は固まった。
「はい。ルカ様はご身分を伏せておられたみたいですが、ステラ様をお助けされたのはこの国の第三王子、ルカ・レナ・アンベリス様です」
噛んで含めるような調子で、モニカさんはそう言った。
「…………うそ……」
冷や汗が頬を滑り落ちていく。
「いいえ、純然たる事実です。受け入れてください。ちなみに言いますと、ここはアンベリスの王宮、ルカ王子がお住まいの『柘榴の宮』です」
私は寝台に座ったまま頭を下げ返した。
「いえいえ。お力になれて嬉しいです。ステラ様がお目覚めになられたと知ったら、ルカ様も大層喜ばれることでしょう」
「ルカ『様』? ルカはモニカさんより身分が高いんですか?」
王宮勤めの女官ということは、モニカさんは貴族令嬢のはずだ。
アンベリスに滞在中、この国の貴族令嬢は花嫁修行の一環として王宮勤めをするって聞いたもの。
「もちろんです。王子ですから」
モニカさんは私の無礼を咎めることなく苦笑した。
「……………………王子?」
私は固まった。
「はい。ルカ様はご身分を伏せておられたみたいですが、ステラ様をお助けされたのはこの国の第三王子、ルカ・レナ・アンベリス様です」
噛んで含めるような調子で、モニカさんはそう言った。
「…………うそ……」
冷や汗が頬を滑り落ちていく。
「いいえ、純然たる事実です。受け入れてください。ちなみに言いますと、ここはアンベリスの王宮、ルカ王子がお住まいの『柘榴の宮』です」