訳あり王子の守護聖女
「あー、えーと。オレは西の神殿に所属してる騎士のラーク、こっちは同僚のシエナ、この妖精はプリムローズ。略してプリム」
「初めまして、ラークさん。モニカと申します。まさか妖精を連れて来られるとは――」
「いやプリムはオレじゃなくてルカのツレで――」
「ステラ。頼む」
モニカさんとラークが話している間に、多少は落ち着きを取り戻したらしいルカ様が私の背中を押した。
「はい」
予想以上のノクス様の衰弱ぶりに怯んでしまったけれど、しっかりしなければ。
守護聖女として、私はルカ様の期待に応える義務がある。
全力疾走のせいでまだ乱れている息をどうにか整えながら、私はノクス様に歩み寄ろうとした――けれど。
「待って、ステラ」
プリムの声が私の歩みを止めさせた。
「いくら神力を使ったって無駄よ。あんたがどれほど強い神力を持っていようが関係ない。残酷なようだけど、事実だから言うわ。何をしたって無駄。これはもう人間の手には負えない」
「――え?」
呆けてプリムの顔を見る。
にわかに部屋が静まり返った。
「初めまして、ラークさん。モニカと申します。まさか妖精を連れて来られるとは――」
「いやプリムはオレじゃなくてルカのツレで――」
「ステラ。頼む」
モニカさんとラークが話している間に、多少は落ち着きを取り戻したらしいルカ様が私の背中を押した。
「はい」
予想以上のノクス様の衰弱ぶりに怯んでしまったけれど、しっかりしなければ。
守護聖女として、私はルカ様の期待に応える義務がある。
全力疾走のせいでまだ乱れている息をどうにか整えながら、私はノクス様に歩み寄ろうとした――けれど。
「待って、ステラ」
プリムの声が私の歩みを止めさせた。
「いくら神力を使ったって無駄よ。あんたがどれほど強い神力を持っていようが関係ない。残酷なようだけど、事実だから言うわ。何をしたって無駄。これはもう人間の手には負えない」
「――え?」
呆けてプリムの顔を見る。
にわかに部屋が静まり返った。