訳あり王子の守護聖女
06:訳あり王子の守護聖女
ふと目を覚ますと部屋の内部は暗かった。
太陽が昇っていない時刻に目覚めたのは久しぶりのような気がする。
私の朝は大抵、ミアやロゼッタに揺り起こされて始まるのに、今日はルカ様の帰国予定の日だから脳が興奮して眠れなかった。
我ながらどれだけ楽しみなんだと苦笑してしまう。
一週間も離れるのは初めてだったから仕方ない。
胸中で誰ともなしに言い訳しつつ、私は起き上がって窓辺に歩み寄り、二重になっているカーテンをまとめて開けた。
王宮は高い丘の上にあるため、王都の美しい街並みを見下ろすことができる。
あと三十分もすれば空に昇った朝陽がどんな人間にも等しく一日の始まりを告げ、いまはまだ眠る街も活発に動き出すのだろう。
「失礼致します。おはようございます、ステラ様。今日はお早いお目覚めですね」
水瓶から水を汲んで顔を洗っていると、部屋の扉がノックされてロゼッタが姿を現した。
ロゼッタは隣の侍女部屋で寝泊まりしているのだが、私が起きた気配を察知してやってきたらしい。
まだ早朝だというのに彼女は完璧に身支度を整え、すっかり見慣れたお仕着せを着ている。
太陽が昇っていない時刻に目覚めたのは久しぶりのような気がする。
私の朝は大抵、ミアやロゼッタに揺り起こされて始まるのに、今日はルカ様の帰国予定の日だから脳が興奮して眠れなかった。
我ながらどれだけ楽しみなんだと苦笑してしまう。
一週間も離れるのは初めてだったから仕方ない。
胸中で誰ともなしに言い訳しつつ、私は起き上がって窓辺に歩み寄り、二重になっているカーテンをまとめて開けた。
王宮は高い丘の上にあるため、王都の美しい街並みを見下ろすことができる。
あと三十分もすれば空に昇った朝陽がどんな人間にも等しく一日の始まりを告げ、いまはまだ眠る街も活発に動き出すのだろう。
「失礼致します。おはようございます、ステラ様。今日はお早いお目覚めですね」
水瓶から水を汲んで顔を洗っていると、部屋の扉がノックされてロゼッタが姿を現した。
ロゼッタは隣の侍女部屋で寝泊まりしているのだが、私が起きた気配を察知してやってきたらしい。
まだ早朝だというのに彼女は完璧に身支度を整え、すっかり見慣れたお仕着せを着ている。