訳あり王子の守護聖女
02:守りたい人は
国王との謁見が終わった後、私は王宮内の庭園にある瀟洒な東屋で王子三人と円形テーブルを囲んでいた。
空は青く晴れ渡り、降り注ぐ陽光は眩しい。
東屋の周囲には色とりどりの花が咲き乱れ、鳥が春を謳歌するように鳴いている。
まるでこの世の楽園のような光景である。
私の右隣にルカ様、左隣にノクス様。
向かいの椅子には王太子であるギムレット様が腰かけている。
いずれも眩暈がするほどの超美形であり、彼らとお茶を飲む栄誉を与えられた私は国一番の幸せ者なのだろうが――あいにくとこの状況を心から楽しめるほどの胆力は備わっていない。
「海外から取り寄せた茶葉はどうだ? 口に合うか?」
とにかく失礼のないように、粗相のないようにと自分に言い聞かせながら、ぎくしゃくとした動きでお茶を飲む私を見て、このお茶会の主催者であるギムレット様が微笑んだ。
ギムレット・バル・アンベリス様。二十一歳。
髪の色は三つ年下のノクス様と同じ金で、柔らかそうな髪質も良く似ている。
金糸の長い睫毛に縁取られたその瞳はようやく芽吹いた春の若葉と同じ、瑞々しい緑色だった。
「はい、大変美味しいです」
空は青く晴れ渡り、降り注ぐ陽光は眩しい。
東屋の周囲には色とりどりの花が咲き乱れ、鳥が春を謳歌するように鳴いている。
まるでこの世の楽園のような光景である。
私の右隣にルカ様、左隣にノクス様。
向かいの椅子には王太子であるギムレット様が腰かけている。
いずれも眩暈がするほどの超美形であり、彼らとお茶を飲む栄誉を与えられた私は国一番の幸せ者なのだろうが――あいにくとこの状況を心から楽しめるほどの胆力は備わっていない。
「海外から取り寄せた茶葉はどうだ? 口に合うか?」
とにかく失礼のないように、粗相のないようにと自分に言い聞かせながら、ぎくしゃくとした動きでお茶を飲む私を見て、このお茶会の主催者であるギムレット様が微笑んだ。
ギムレット・バル・アンベリス様。二十一歳。
髪の色は三つ年下のノクス様と同じ金で、柔らかそうな髪質も良く似ている。
金糸の長い睫毛に縁取られたその瞳はようやく芽吹いた春の若葉と同じ、瑞々しい緑色だった。
「はい、大変美味しいです」