訳あり王子の守護聖女
妖精はチラッとルカ様を見てから、またそっぽ向いた。
「あんた、人間にしては良い奴じゃないの。褒めてやってもいいわよ」
「ありがとう」
ここまで偉そうにされるとむしろ痛快なのか、ルカ様はなんだか楽しそうだ。
「名前を聞いてもいいか? 檻の中で聞いていたかもしれないが、俺はルカだ」
「私はステラ・コーレン」
自己紹介の機会を逃すまいと、私はすかさず名乗った。
バーベイン様から家名と戸籍を頂いた私はエメルナ皇国の下民ではなく、アンベリス王国の平民ステラ・コーレンになったのだ。
「プリムローズよ。珍しい七色のプリムローズの上で生まれたからこの名前なの」
その名前に誇りがあるらしく、妖精は胸を張った。
「長いな。プリムと呼んでいいか?」
「……妖精女王から頂いた名前を略すの……まあ、許すわ。ルカはあたしの恩人だし」
プリムは不承不承といった顔で頷いた。
「私もそう呼んでいい?」
「……ルカのついでに許してあげる」
「ありがとう」
微笑む。
「ならプリム。妖精の瞳は一切の呪術や幻術を見破る『真実の瞳』だと文献に書いてあったが、それは本当なのか?」
「あんた、人間にしては良い奴じゃないの。褒めてやってもいいわよ」
「ありがとう」
ここまで偉そうにされるとむしろ痛快なのか、ルカ様はなんだか楽しそうだ。
「名前を聞いてもいいか? 檻の中で聞いていたかもしれないが、俺はルカだ」
「私はステラ・コーレン」
自己紹介の機会を逃すまいと、私はすかさず名乗った。
バーベイン様から家名と戸籍を頂いた私はエメルナ皇国の下民ではなく、アンベリス王国の平民ステラ・コーレンになったのだ。
「プリムローズよ。珍しい七色のプリムローズの上で生まれたからこの名前なの」
その名前に誇りがあるらしく、妖精は胸を張った。
「長いな。プリムと呼んでいいか?」
「……妖精女王から頂いた名前を略すの……まあ、許すわ。ルカはあたしの恩人だし」
プリムは不承不承といった顔で頷いた。
「私もそう呼んでいい?」
「……ルカのついでに許してあげる」
「ありがとう」
微笑む。
「ならプリム。妖精の瞳は一切の呪術や幻術を見破る『真実の瞳』だと文献に書いてあったが、それは本当なのか?」