訳あり王子の守護聖女
「やっぱりルカ様は呪われてなんかいなかったんです!! 王宮では呪われた王子とかなんとか言われてましたけど、みんな嘘だったんですよ!! 王宮に戻ったらすぐにノクス様にご報告しましょう!! きっと喜んでくださいます!! ギムレット様にも陛下にもご報告しなければ!! なんといっても妖精のお墨付きなんですから、これはもう間違いのない事実ですよ!!」
喜色満面でルカ様の手をぶんぶん上下に振る。
「……俺よりお前のほうが嬉しそうだな」
ルカ様は笑っている。
「それはもちろん、守護聖女として喜ばずにはいられませんよ!! おめでたい!! 本当に良かった!! 今日は良い気分で眠れそうです!!」
「でもさあ、ちょっと気になることがあるんだけど……」
プリムが何か言ったため、私はお喋りを止めて妖精に顔を向けた。
「何? どうしたの?」
「……いや、こんなにうじゃうじゃ人がいれば呪われてる人がいてもおかしくないか。きっとすれ違ったか、ぶつかった拍子に残滓が付着したんでしょう。二人とも、っていうのがちょっと奇妙だけど、あり得ない話じゃないわよね」
顎に手を当てて俯き、プリムはぶつぶつ呟いている。
「何? 何を言ってるの?」
小さな声を聞き取るべく耳を近づけようとしたら、プリムは首を振って私を制した。
「なんでもないわ。あたしの服を買ってくれるんでしょ? さっさと行きましょう」
喜色満面でルカ様の手をぶんぶん上下に振る。
「……俺よりお前のほうが嬉しそうだな」
ルカ様は笑っている。
「それはもちろん、守護聖女として喜ばずにはいられませんよ!! おめでたい!! 本当に良かった!! 今日は良い気分で眠れそうです!!」
「でもさあ、ちょっと気になることがあるんだけど……」
プリムが何か言ったため、私はお喋りを止めて妖精に顔を向けた。
「何? どうしたの?」
「……いや、こんなにうじゃうじゃ人がいれば呪われてる人がいてもおかしくないか。きっとすれ違ったか、ぶつかった拍子に残滓が付着したんでしょう。二人とも、っていうのがちょっと奇妙だけど、あり得ない話じゃないわよね」
顎に手を当てて俯き、プリムはぶつぶつ呟いている。
「何? 何を言ってるの?」
小さな声を聞き取るべく耳を近づけようとしたら、プリムは首を振って私を制した。
「なんでもないわ。あたしの服を買ってくれるんでしょ? さっさと行きましょう」